注意点


◆食糧について


出発前の食糧わけ
 我々が参加したココダ・トレイル社のブッシュウォーキングの場合、食糧は全行程分を担ぐのではなく、途中、エフォギで後半行程分の食糧を補給した(これらは予め空送された)。基本的に朝・夕食分はポーターが担い、ツアー参加者は各自の昼食及び行動食のみ分担していた。昼食は基本的にクラッカー(ビーフ味など、塩気の濃いものであった)に肉・パスタの缶詰め。行動食や茶、コーヒーなどの嗜好品も各自分が準備されたが、当然それも担ぐことになる。行動食はチョコバーの類。嗜好品はコーヒー、砂糖、紅茶、それにコンデンスミルクとミロ(これが実に美味しい、現地発音ではマイロ)。

 出発当初とエフォギでの補給後は非常に重くなるが、カロリーをとって体力を維持し、マラリアに対抗しようとの思考に基づいている。当方がこれまで経験した、ワンゲルや修験の食糧概念とは、全く別のものであり、驚きとともに新鮮さを感じた。が、いかんせん、重さが……。基本的に、ポーターの存在を前提にした食糧計画であるといえよう。

 夕食はポーター達により準備された。炊事は全てマキでなされる。マッシュポテトにソーセージ、またはインディアンライスなど外人向けであったので、日本人の場合は空腹感を感じる。ポーター達には豪州米が支給されていたが、彼らは米でないと力が出ないと語っていた。朝食はシリアルに湯で溶いたコンデンスミルクと砂糖をかけて食べるのが一般的。これも人によっては空腹になろう。但し、固形になったシリアルは軽く、量も多いので利用価値は高い。同じくコンデンスミルクは栄養補給に高い効果を発揮する。これらの食品は全てポートモレスビーで補給が可能である。


ポートモレスビー市内のカイ・バー(食堂)
なかなか美味
 日本人なら、やはり米食がの方が力も出、腹持ちも良いのだが、1日4合計算(筆者のワンゲル時代には、朝1合、昼0.5合、夕食が1.5合の計4合が、一人あたりの一日分であった。これは南海支隊の一日分と同じである。因みに旧陸軍の一人あたりの一日分―定量という―は6合であった)でもかなりの量を持つことになる。南海支隊なみの重さをかつぐか、そうでなければカーゴ・ボーイ(ポーター)をお願いしたほうが良いであろう。なお、FD食品などは軽くて良いのだが、そればかりではカロリーや食感に問題がある。噛むことによる満足感は、ばかにできないものである。

 もし、可能ならば、荷を軽くする為、エフォギまで食糧を空輸することを勧めます。予算上、それが出来ないのなら、あるいはFD食品でメニューを立て、それで必要なカロリーをカバーしながら、村に泊まるたびに芋などの現地物資を購入し、満腹感と炭水化物の補給をしたほうがよいかもしれない。

 ともあれ、マラリアなどの病気に掛らない為には、先ずは栄養補給が第一と云うことを忘れず、食糧計画を立てるべきである。

栃木県護国神社